ゆがみからくる膝の痛み

<症状>
仕事が終わった後の膝の痛み。膝の上の部分や、外側が痛む。
深く曲げれない。
動かすときにある方向で痛む。
階段の登りはいいが、下りが1歩ずつでないと痛む。
【朝】腰が疲れている時は膝も痛む。
【夜】膝を動かすと痛むときがあるので眠れない時があり辛い。

半年ほど続いている

<普段の生活環境>
デスクワーク。通勤時間が長く車の運転が長い。
たまにゴルフ、ウォーキング

<病院での診察>
半月板の損傷。特に激しいスポーツをしているわけでもないが、患部である右ひざが通常よりグラグラしているとのこと。硬めのサポーターを処方される。膝に水がたまりぬいたがまだひどく痛んでいたので、MRI検査。異常なし。カロナールを処方される。

《考察》
まず、半月板が損傷して亀裂が入っているという事でしたので、それによる痛みや違和感はしばらく残ります。その部分に対しては鍼灸ではなにもすることができません。手術をするほどではないため、時間の経過とともに、保存的ケアになります。
ただ、膝の痛みの場合、他の原因も混ざっていることがあるため、そこを鍼灸と整体により解決していきます。

身体を見ていくと、ゆがみが強くでていました。
とくに骨盤のゆがみですが、これにより膝の痛みが出ている人はかなり多いです。
どうしてかというと、身体がゆがむことで、膝に構造的に一定の圧がかかりつづけその周辺の組織が痛んでしまうからです。

下のイラストのように、このように歪んでいるパターンが多いのです。

これはねじれながらゆがんでいるイラストです。

これにより、膝の部分にストレスがかかり、膝周辺の組織が痛んできます。

膝の内側に来る方もいれば、外側に来る方もいて、その時のねじれ方や、重心位置によって変わります。

この場合、膝周辺の痛めた組織に対する治療も必要なのですが、ゆがみを整えることも必須になってきます。

そこで整体がいるわけです。

患者様とコミュニケーションをとっていくと、お仕事中の姿勢の問題だと考えられました。

《施術》

まずは全身調整。そしてゆがみを整え、局所治療に移り、膝周辺の動きが悪くなっている筋膜を鍼でリリースしていきました。

2回目、1週間後。

朝の痛みが大幅に減っていました。

3回目、1週間後。

寝れるようになり、膝周辺の痛みも減ってきました。

ここで、病院から支給された膝が全く動かないサポーターを1日中装着するのではなくて、時間を決めて装着するようにしていただきました。

そして完全に外すのではなくて、柔らかいタイプのサポーターに変更してもらい、膝に少しづつ動きを出すように提案しました。

患者様は、病院からはサポーターを外すタイミングはあいまいに説明されていたため、ずっと外せずにいましたが、膝の動きを制限されると他の部分まで影響してしまうので、そのようにご提案しました。

4回目、1週間後。

階段の上り下りが不安なくなってきており、膝周辺の痛みはなくなってきて、膝の奥に違和感を感じる程度までになりました。

この段階で、硬いサポーターはやめていただき、柔らかいサポーターのみにしていただきました。

膝の奥の違和感は、半月板損傷によるものと判断しました。これにかんしては時間の経過を待つ方向でいくことにしました。

5回目、2週間後。

半月板損傷があるため、膝は完全には戻ってはいませんが、日常生活を送るにはほとんど支障がなくなってきたため終了しました。

またゆがみがでれば膝に負担がかかり痛みが出る可能性がじゅうぶんあるので、

『横すわり』『ねじって座る』『車の運転中に骨盤をねじる』

ようなことを注意して生活するようにご指導しました。

そして、メンテナンスとしてゆがみが生じたり、少し膝の痛みを感じてきたらご来院していただく、ということで終了です。



今回、ゆがみにすごく気を使っていただき注意していただいたおかげで早期回復になりました。

ただ、

「ゆがみが原因です。」「ゆがみがなければ膝に負担がかかることはないと思われます。」

とお伝えしても、やはり膝に問題があると思われる方が多いのが現状です。

原因は日常生活にひそんでいます。いくら一生懸命お伝えしても、ご本人がご自身の身体に向き合わなければ、決して回復していくことはないのです。


そして、痛みが消えるとゆがみを気にしなくなるのも要因です。

当院では、自分でゆがみのチェックができる方法をお伝えしていますが、院から一歩外に出ると忘れてしまう方もいらっしゃいます。

2度と痛みの出ない体にすることはできません。

自己管理と定期的なメンテナンス施術。

強くお勧めいたします。

膝の痛みの主な原因

関節炎(関節の炎症): 関節炎は、膝の関節における炎症を指します。最も一般的な形態には骨粗しょう症性関節炎、リウマトイド関節炎、そして変形性膝関節症が含まれます。
半月板損傷: 膝の半月板は、膝の関節表面を保護し、クッションとなる組織です。急な動作や怪我によって損傷することがあります。
靭帯損傷: 前十字靭帯(ACL)や後十字靭帯(PCL)などの靭帯が損傷することがあります。これはスポーツ中の怪我や転倒などが原因となります。
膝蓋骨軟骨の損傷: 膝蓋骨の裏にある軟骨が損傷することがあり、これにより関節部の骨膜がぶつかるようになり痛みの原因となります。
膝蓋腱炎: 膝蓋腱は膝蓋骨と脛骨を結ぶ組織で、これが炎症を起こすことがあります。

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